発毛剤にはいろいろなものがありますが、使い続けると体に耐性がつき、効果が薄れてしまうのではないかとご心配される方もいらっしゃるかもしれません。
AGAの症状で薬用効果のある発毛剤を使用し続けている場合、AGAは加齢とともに進行していくため、薬用効果があまり感じられなくなってしまうこともあるでしょう。
加齢のせいなのか、それとも薬に耐性がついてしまい効果が薄れてしまったのか目に見えるデータとして現れませんので一層悩みは深まるばかりです。
そもそも耐性というものはどういうものなのか
薬の中には耐性があるものがあり、服用し続けると薬用効果が弱くなるものもあります。耐性とはたとえばがん細胞をやっつける効果のある薬を投与すると、やがて細胞の一部は薬に耐えられる特性を身につけていく場合があります。これが薬による耐性です。
AGA治療の場合だと、AGAの原因である男性ホルモンの生成を抑える薬用成分を投与することで、薬用効果によって男性ホルモンの生成を抑えることができ、発毛を促進することができますが、長期間服用し続けると薬の耐性ができてしまい、発毛剤の効果をあまり感じられなくなってしまいます。
しかしこれは本当に発毛剤の耐性ができているからなのか、それとも加齢や年月とともにAGAの進行が進んだなのか、はっきりとした答えはいまだに出ていません。
製薬会社の10年間のデータでは
フィナステリドという発毛剤を製造しているMSD株式会社という海外の製薬会社があります。この会社ではフィナステリド1mgを113名が10年間使用した実験を行っています。その結果、発毛状態が悪化したと答えたのが14％で、発毛状態が改善もしくはあまり変わらないと答えたのが86％でした。
また最初の1年で発毛効果があったと答えた方を限定して調査を行った場合、10年後も使用し続けた結果68％が改善したと答え、28％が変わらなかった、4％が悪化したと回答をしています。
最初の1年間で発毛剤の効果を全く感じなかった方の場合、その後使用し続けても発毛効果はあまり感じられず、全く変わらなかった方が64％、悪化してしまった方が4％という結果が出ました。
発毛剤の耐性実験で分かることとは
海外の製薬会社の発毛剤の耐性実験の結果、分かることはフィナステリドという薬剤では、発毛効果がある人と全くない人がいるということです。
発毛効果があるかどうかは、最初の1年目で結果が出ます。発毛効果が出たと実感できた方の場合、その後も発毛剤を使用し続けても過半数以上の方が発毛効果を実感できたと回答しているのに対し、最初の1年目で結果が全く出なかった方の場合、その後使用し続けてもほとんどの方が発毛効果が出なかったと回答しています。
つまり薬の耐性は全く関係なく、発毛剤の薬用成分が効果がある人と全く効果がない人がいるということになるでしょう。
1年間はとりあえず使用して様子をみることが肝心
発毛剤の耐性実験からでも分かるように、薬用成分の効果があるかどうかは個人によって違いがあります。
薬の薬用効果がしっかり現れる方もいれば、残念ながら現れなかったという方もいますので、発毛剤を使用される際は1年間は様子を見ながら使い続けていくことが重要です。
薬を安易に増量すると副作用のリスクも増します
薄毛の悩みは当事者本人にとっては深刻なものです。そのため発毛効果がなかなか現れないと、発毛剤の量を自己判断で増やしてしまうと副作用のリスクも高まりますので、安易に増量をすることは辞めておいた方が良いでしょう。
特に日本では医師が認可しなければ処方されない薬用成分の入った発毛剤を使用されている方は要注意です。個人輸入で薬用成分が含まれた発毛剤を手に入れることができますが、薬の耐性がないと思って自己判断で増量してしまうと、副作用が現れてしまい危険な状態になってしまうこともあります。
効果が全く感じられない場合はやはりAGAを治療する専門医に相談をするのが一番です。発毛剤の効き目が悪い場合は別の薬用成分に切り替えることによって効果が現れる場合もあるからです。
薬用成分の耐性が薄れたと考えるよりも、その薬用成分が自分には効果がないと考えた方が良いかもしれません。
同じ発毛剤を使用し続けると、耐性ができてしまい効果が薄れてしまうという説がありますが、発毛剤の耐性については今のところ医学的に判明はしていません。発毛効果については薬の耐性を考えるよりも、その薬が個人的に効果があるのか、ないのかを判断された方が良いでしょう。
1年間同じ発毛剤を使用し続けてみて、発毛効果があれば、その発毛剤は自分に合っているということになります。反対に全く発毛効果がない場合は、その発毛剤は自分には合っていません。
薬の耐性よりも、薬用成分が自分に効果があるかどうかを判断した方が良いです。発毛効果が感じられない場合はAGAを専門に扱っている医師に相談しましょう。
