タバコを吸うとハゲるのか?最近の研究結果を検証

薄毛

タバコを吸うとハゲる、あるいは薄毛になるといった話はよく聞かれます。そのため、禁煙をすることが薄毛対策になるという話や、禁煙したら毛が生えてきたという話はしばしば耳にするものです。

一方で、ヘビースモーカーでも髪がふさふさしている人もいて、タバコはハゲるのではなかったのかという疑問がわいてきます。そこで、薄毛について詳しく知るとともに、タバコとの因果関係を3つの要素から詳しく見ていくことにします。

  1. なぜ薄毛になるのか
  2. タバコが体に与える影響とは
  3. タバコと薄毛の噂の結論は

これらを詳しく知ることで、薄毛という根本的な悩みに対する理解と、タバコが体に与える影響を知り、結果として関連性はあるのかを検証してみます。

1.なぜ薄毛になるのか


男性の薄毛は今ではAGA、男性型脱毛症という病気だと考えられています。その特徴としては、生え際が後退する、おでこの生え際部分の髪のうち、特にこめかみ付近の髪が薄くなりM字型に見えるM字ハゲになる、つむじが薄くなるという3つのパターンがあることです。

生え際が後退する場合、おでこが広く見えるようになりますし、つむじが薄くなる場合、耳周辺の髪を残してつむじを含む頭頂部の髪が全部なくなることもあります。こうなると、なんとか髪がないのを隠すために耳の横部分の髪を伸ばし、髪がない部分に貼り付けるようにして隠すため、バーコードに似た形になることから、バーコードハゲと呼ばれるタイプです。

なぜ薄毛になるのかというと、DHT(ジヒドロテストステロン)というホルモンの働きが大きく関係しています。これは悪玉脱毛ホルモンとも呼ばれ、薄毛になる最大の要因です。とはいえ、ホルモンだけが原因ではなく、遺伝によって薄毛になる確率はかなり高く、食事や生活習慣の乱れ、さらには精神的ストレスでハゲてしまうことなども分かってきました。そのため、ホルモンに対する対処とともに、遺伝以外のほかの要素にも配慮することが、治療にあたって必要となってきます。

2.タバコが体に与える影響とは


タバコには3つの種類の煙があり、タバコから吸いこむ主流煙、タバコを吸って吐き出したときに出る呼出煙、タバコの点火部分から立ち上る副流煙に分かれます。このうち、最も多くの害を含んでいるのが副流煙であることは、近年、よく知られるようになりました。

これはタバコの燃焼温度によって発生する有害物質の量が違うためで、吸ったときの温度900度に対し、吸っていないときに立ち上る煙は600度で発生しています。低温で発生する煙ほど有害物質を多く含むのがタバコの特徴であるため、点火時に立ち上る副流煙に最も多くの有害物質が含まれるわけです。このことから、受動喫煙といって、タバコを吸っている人の周りに長時間いるタバコを吸わない人の方が害が大きいことが分かり、問題となっています。とはいえ、やはりタバコを吸う人は3種類の煙を吸っていることになり、ダメージが大きいことには変わりありません。

タバコは化学物質を約4000種類、ダイオキシンなどの有害物質を約200種類、そして発がん物質を約60種類含んでいるとされており、百害あって一利なしと言われる所以です。ニコチン、タール、一酸化炭素が特に有害で、肺がんを筆頭に各種のがんの原因となるほか、心筋梗塞や肺気腫、胃・十二指腸潰瘍、歯の着色や歯肉炎、口臭を引き起こすとされています。このタバコが与える影響の中にハゲるという要素があると言われていることから、タバコを吸うとハゲるということになっています。

3.タバコと薄毛の噂の結論は


タバコを吸うとハゲるというのは、今では常識とまで捉えられていますが、近年、喫煙と薄毛は無関係であるという研究結果が出てきました。これまでにも研究はされてきたものの、明確に薄毛がタバコによるものであると決定づける証拠は出ていないのが実情です。

むしろ、研究の結果、因果関係はなかったと結論づけているケースの方が圧倒的に多いことから、タバコを吸うとハゲるという噂が独り歩きしていると言えます。噂の出どころとしては、ニコチンが血管を傷つけることから毛母細胞への血流が悪くなることや、タールが毛乳頭細胞にダメージを与えるのではないかということ、さらに一酸化炭素を吸っている間、つまり喫煙中は酸素を摂りこめないことから酸素不足に陥り、血管力が低下し、髪にも悪そうといった具合に、全てが想像の域を出ず、はっきりと因果関係を証明することはできないというのが、最新の研究結果による結論となっています。


確かに化学物質を多く含み、その中に有害物質がたくさんあるタバコを毎日吸っていると、体に悪影響を及ぼすことは明らかです。
健康のために禁煙をすることが喫緊の課題ですが、ハゲるからタバコを辞めなければという考えや、タバコはハゲるだろうかと心配する必要はほとんどないと言えます。最新の研究結果による結論からは、ハゲることとタバコは無関係としたうえで、禁煙及びAGAの治療をすることが悩みの解消に繋がると言えそうです。

関連記事